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成年後見制度(制度の前提について)

1 契約社会に生きる私たち

普段生活していると、なかなか意識しにくいことですが、私たちは契約社会に生きています。      
スーパーやコンビニでの食料品・日用品の買い物に始まり、各種サービスを受けるための契約(電気・ガス・水道などの各種公共サービスに関する契約。携帯電話やクレジットカード、生命保険や自動車保険等。)、移動のため利用する電車・バス・タクシーへの乗車(JRなどの運送業者と運送契約を締結しています。)など、私たちの周りは契約であふれています。

 

2 私的自治の原則

そうした「契約」を法律上有効に行うためには、自分自身の行為の結果がどのようになるかを適切に判断できる能力が必要となります。

これは「私的自治の原則」と呼ばれる民法の大原則に基づくものです。「私的自治の原則」とは「人は、みずからが私的生活関係について下した決定について、その結果を引き受けなければならない。」というものであり、ここでいう「人」とは「自らの意思により理性的に判断し行動することのできる人」と定義されます。

逆を言えば、自らの意思により理性的に判断し行動する能力(意思能力)が不十分な人は、自らの行為の結果を引き受けることはできないとされ凡そ契約を締結することができないのです。

 

3 意思能力の有無

では、意思能力の有無はどのように判断されるのでしょうか。

その答えは「個別・具体的な事情に即して判断する」という、なんとも抽象的なものです。そのため、何か条件(たとえば年齢)によって形式的な判断をすることができません。

0歳児にはないと確定的に言えそうですが、0歳児と契約をしようとする人は普通いないでしょう(常識的に考えれば、その親を相手に取引するはずです。)。それでは8歳児であればどうでしょうか。このくらいの年齢になればお小遣いをもらって自分で買い物(売買契約)をするケースも考えられます。
逆に90歳の方はどうでしょうか。いつも元気に自分で買い物に出かける人もいれば、少し判断能力に衰えが出てきている方もいます。みなさん具体的なAさんBさんを想像して、「意思能力の有無は人それぞれである」という答えになるのではないでしょうか。
こうした「意思能力の有無は個別具体的に判断しなければならない」ということは、意思能力のない人にとっても意思能力のある人にとっても問題を生じさせます。
「AさんはBさんからリンゴを買った。売買当時、実はAさんは意思無能力であった。」というケースに沿って考えてみます。

  1. 意思能力があるということが当然の前提となるため、意思能力のないAさんは、「意思能力がなかったから売買契約は無効であった」ということを自分で証明しなければなりません。
    しかしながら具体的立証は時に困難です。Aさんの手元にはリンゴが、Bさんの手元には代金があり、外形的には売買契約が成立したように見えます。「Aさんの意思能力のなかったこと」はどのように立証すればよいのでしょうか?
  2. 仮にAさんに意思能力がなかったと認められた場合、Bさんはリンゴを売って得た代金を失うことになります。こんなことになるのなら、BさんとしてはAさんではない、ほかの誰かにリンゴを売ればよかったと思うでしょう。結局、このようなことが起こらないようにするためには、Bさんは売買の際に、注意深くAさんを観察し、ちょっとでも怪しい可能性があるのならば直ちに売買を中止すべきことになります。
  3. そうなると、AさんとしてもBさんとしても非常に窮屈な状況で契約をしなければならなくなります。そうした不都合を解決するために民法上設けられたのが「行為能力制度」です。
 

4 成年後見制度(行為能力制度)とは

成年後見制度(行為能力制度)とは、「一般的な判断能力の程度により個々人を段階的に定型化し、その段階ごとに(意思能力の有無を判断することなく)、その者が単独で行うことができる取引を制限し保護する」という制度です。

この制度を利用することにより、先ほどのケースを例にとると、Aさんにとっては「自分は行為能力を制限された者である」ということを主張さえすれば「売買当時、実際に意思能力がなかった」ことを立証することなく契約の取り消しを主張することができます。

一方Bさんにとっても、意思能力の有無が疑わしいと思ってもAさんとの取引に際し「Aさんが行為能力を制限されている」と確認できれば、しかるべく法律上の手続きを踏むことによってAさんと法律上有効な取引ができるのです
(逆に、Aさんが制限行為能力者ではないことが確認できてもAさんに意思能力があることは保証されません。Bさんはなお、意思能力の有無を注意深く確認したうえで取引しなければなりません。)。

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